半夏生というのは知らない人も多いかもしれませんが、実は日本では古くから伝わる風習の1つです。
この半夏生は、梅雨の終わりを知らせています。
そんな半夏生には、蛸を食べるという習慣がある地域も多いですね。
では、どうしてこの日に蛸が食べられるようになったのでしょうか?
その意味と由来について調べてみました。
半夏生の意味や由来とは?
半夏生は、夏至から数えて11日目に始まり、そこから5日間のことを指しています。
この時期は、半夏という薬草が生える頃でもあり、またハンゲショウというドクダミ科の植物が半分白くなり、化粧したように見えるということから、このように呼ばれるようになったとされています。
この半夏生というものは、昔の人にとっては稲作と大きく関係しているものでした。
夏至から半夏生までの間に田植えを済ませてしまうのが良いとされ、また半夏生の天候は、その年の稲作を占うものとされてきたのです。
これが、現代の半夏生の由来となっています。
ではどうして、そんな半夏生に蛸という食べ物が食べられる風習ができてきたのでしょうか?
実は、これには深い意味があるのです。
半夏生の蛸には深い意味が!
半夏生に食べられる蛸には、深い意味があります。
まず、蛸という生き物は8本の足を持っていますね。
この足を根にイメージし、植えた稲がしっかりと根付くようにという願いを込めて食べられたということです。
また、蛸の足には吸盤が多数あります。
それを稲穂に見立てて、立派に実るようにという願いも込められていたのです。
それからもう1つ、蛸にはタウリンという成分が豊富に含まれています。
このタウリンという成分は疲労回復に高い効果を発揮します。
そのため、田植えによる疲れを回復させるという目的もあり、食べられるようになったと言われています。
風習自体が始まったのは、実は江戸時代。
けっこう古い習慣なのです。
ですがこれが正式に制定されたのは、2001年と、比較的歴史は浅いですね。
数年前まは7月2日はタコの日と、日本記念日協会で認定され、様々な活動が行われていました。
ですが諸事情により、現在では取り消されてしまっています。
そんな蛸を食べる風習、実は関西に根付いているものであり、他の地域ではまた違った食べ物の風習があります。
半夏生に食べる蛸以外の食べ物
半夏生には、蛸以外にも地域によって色々な食べ物が食べられています。
例えばサバ。
これは1人1本の焼きサバを家族全員が食べるというもので、福井県で親しまれる風習です。
この地域はサバの水揚げ量が多く、田植えで疲れた農民の栄養補給として、サバを食べることが推奨されたようです。
それから、半夏生にはサバ、という風習が根付いていったということですね。
体力を付けたり、血液を健康的にしてくれるサバは、農民の体に元気を取り戻すために重要な役割を担っていたというわけです。
さらには、うどんを食べるという風習がある地域も存在します。
これは香川県に伝わる風習です。
この地域では、その年に収穫された麦を使用してうどんを打ち、手伝ってくれた方々に振舞う風習がありました。
それが現代でも続いているということですね。
うどんは喉越しが良く、食欲が低下している時でも食べやすいので、この時期にしっかり食べて体力をつけるのにもピッタリですね。
この風習がある香川県では、7月2日はうどんの日に制定されています。
これを制定しているのは本場さぬきうどん共同組合。
この日は様々なイベントが催されるので、遠方からでも訪れたくなりますね!
まとめ
半夏生の意味や由来は様々です。
蛸を食べる、サバを食べる、うどんを食べる・・・
それぞれの風習に、昔の農民のイロイロな願いが込められているということが分かりますね。
イロイロな地域の風習を知り、家庭でも取り入れていってみましょう。
半夏生には、蛸にサバにうどん。
これらをフルコースにしていただいてみるというのも、面白いかもしれませんね。