春になると、桜の花が美しいですよね。
そんな桜を活かした食べ物も多数登場してきます。
特に有名なのは、桜の葉を塩漬けしたもので包んだピンク色が鮮やかな桜餅。
この桜餅、とっても美味しいお餅ですが、いつも食べる際には悩んでしまいますよね。
その悩みの種となるのが、皮となっている葉を食べるべきなのかどうかという点。
では、この葉は食べるべきなのでしょうか?
また、食べれば栄養があるものなのでしょうか?
桜餅の皮は食べるべき?
桜餅を包む皮となっている葉は、一体どのような意味を持つものなのでしょうか?
手に持って食べる際に、手が汚れないための包装のような役割、と考える人も多いですよね。
だったら、食べる必要はないのではないかと考えてしまいます。
ですが、食べる必要のないものであれば、わざわざ塩漬けしなくても柏餅のような葉でも良いのではないかということになります。
実は、本来この桜餅の皮というのは、香りづけのために使用されてきたものだったのです。
そのため、正式な食べ方としては、剥がして香りのみを楽しみながらいただくということになります。
葉の塩分は強いので、塩辛くて食べにくく、せっかくの桜餅の味わいが分からなくなってしまうというのもあります。
ですが、最近の桜餅は、皮として用いられる葉もやわらかい品種のものを厳選して作られています。
塩加減なども絶妙で、一緒にいただいた時にも、塩味と甘味のコンビネーションが楽しめるようになっています。
そのため、現在の桜餅に関しては、皮を食べるか剥がして捨てるかは好みの問題、といったところですね。
葉脈のような硬い部分が残ってしまう皮は、残したほうが無難でしょう。
桜餅の皮には嬉しい栄養も!
好みの問題で捨ててしまう人も多い桜餅の皮となる葉ですが、実はとてももったいないことをしている可能性があります。
桜餅の葉には、クマリンという成分が含まれているのです。
このクマリンには、抗菌作用や抗酸化物質、ホルモン作用などがあります。
さらに、抗血液凝固作用もあり、血栓ができるのを予防する効果もあると言われているのです。
桜の葉自体には、このクマリンという成分は含まれていません。
ですが、桜餅の皮として使用する際、葉を塩漬けにします。
この塩漬けの行程で、クマリンが産生されると言われています。
桜餅の皮は、アンチエイジングや健康などに嬉しい効果が期待できる成分を含んだ、とても魅力的な物なのです。
ただし、塩分も高いので、健康効果があるからといって食べ過ぎるのは禁物です。
桜餅は糖分・塩分のことも考慮し、1日1個程度に抑えて、皮ごと美味しくいただいてしまいましょう!
桜餅の由来
桜餅というと春の定番和菓子です。
これは季語としても認められるほどで、その歴史の深さも実感できますね。
そんな桜餅、餅の生地自体に桜が入っているというわけではなく、実は皮が桜の葉であることから、桜餅と呼ばれるようになったのが由来です。
つまり、桜餅の主役は、ある意味、食べるかどうか迷ってしまう皮の方なのですね。
この桜餅は、隅田川の土手にある桜の葉を用いて、山本新六という人物が作ったのが最初だと言われています。
この人は長命寺という寺で門番を務めており、ここで桜餅を販売し始めたところ、繁盛し、広まったのが由来です。
そのため、現在でも長命寺の桜餅は名物として知られています。
桜餅ファンの人なら、桜餅発祥の地である長命寺の名物を、1度は食べてみたいものですね。
まとめ
桜餅の皮として認識されている桜の葉は、実は香りづけのものであったというのは意外ですよね。
元々は食べるためのものではなかったということです。
ですが、この桜餅の皮は、その名前に由来するほど重要な役割だったのですね。
皮が無ければ、ただの桜色をした餅であったというわけです。
そんな桜餅の皮である葉には、美容と健康に役立つ成分が含まれるというのも嬉しい話ですね。
現代の桜餅は、葉が柔らかく、塩加減も食べやすく調整されているので、ぜひ桜餅は、皮と一緒に食べることを楽しみたいですね。