夏と言えばお盆ですよね。
それぞれのご先祖様が帰ってくるので、それを迎えて親類と集まり、楽しく過ごす日。
そんな印象があります。
ですが、このお盆とは少々違いのある「地蔵盆」という風習がある地域も多いでしょう。
では、地蔵盆の由来とはどのようなものなのでしょうか?
また、いつ開催されるのか、どんな遊びをして過ごすのかなど、気になる点が色々ありますね。
地蔵盆の由来とは?
まず気になるのは、地蔵盆の由来に関してですね。
そもそも地蔵盆とは何なのかと言うと、これは一般的なお盆が「仏様」の信仰であるのに対し、道に立っているお地蔵様を信仰して行われるお盆の行事という形になります。
そもそもお地蔵様は、民間信仰の神さまであり、仏教における地蔵菩薩でもあります。
人間界だけでなく、地獄や修羅、畜生、飢餓、天といた全てに対し、人々を救済してきたのが地蔵です。
そんなお地蔵様は、平安時代以降にも阿弥陀信仰と結びつくことで広まりを見せました。
そして、村を守る役割がある、地獄の鬼から子供を救うなどという信仰が膨らみ、今のような形になっています。
このような信仰の広まりによって、全国に作られるようになったのが地蔵です。
そしてその地蔵を盛大にお祭りするのが、地蔵盆というわけですね。
この地蔵盆は京都で始まったと言われており、今でも近畿地方では盛大に行うところが残っています。
他にも北陸や新潟、長野市周辺などで行われていますが、関東や東海ではあまり行われていません。
室町時代から地蔵盆が大流行した京都に対して、関東ではお地蔵様が作られるようになったのは江戸時代から。
そんな歴史の違いによって、地蔵盆は関西がメインのものとなっているのです。
地蔵盆はいつ?
そんな歴史ある地蔵盆ですが、一体いつ、行えば良いのかというのも知っておきたいところですね。
一般的なお盆なら、8月13日〜16日となりますが、地蔵盆の日程はどうなっているのでしょうか?
実はこちらに関しては、8月23日、24日の地蔵菩薩の縁日に行われることとなっています。
また、こちらは元々は旧暦の7月24日に行われる行事でした。
そのため、今でも旧暦をそのまま新暦に置き換え、7月24日に開催する地域もあります。
また、2日間とも平日など、都合をつけにくい場合などには、この日付にこだわらず、近い日の土日を選んで開催するところもあります。 地蔵盆は基本的に、子供を呼んで楽しむためのイベントのような感覚になっています。
そのため、日付にこだわり過ぎることなく、子供たちを招待しやすい日、準備をする大人たちが都合をつけやすい日、という間隔で設定するところ多いですね。
地蔵盆の遊びと言えば?
子供たちの楽しみなイベントの1つ、というイメージのある地蔵盆。
では、この地蔵盆の遊びとはどういったものでしょうか?
これはそれぞれの地域で違っていますが、例えばお地蔵様の周辺を、子供たちで掃除したりします。
一見、遊びには思えないかもしれませんが、実はこれも子供からすれば楽しい遊びです。
そうして提灯なども立てて、どんどんお地蔵様を祀る準備を進めていきます。
それから、花火やジュース、お菓子などを楽しんだり、かき氷を食べたり、くじ引きを行ったり、中には盆踊りを行うところもあります。 特に遊びの内容に決まりはありませんが、ちょっとした夏祭りのような感覚で開催するところが多いですね。
子供たちが浴衣や甚平を着て参加するというところもあります。
なんとなく、古き良き日本の風情を感じさせてくれるイベントです。
普段からテレビゲームや携帯ゲームばかりしている子供も、この時は地蔵盆の準備の手伝いで自然に触れ、汗を流したり、仲の良い友達とお菓子や夜店を楽しんでみましょう!
まとめ
地蔵盆と言うと、地域により「なじみ深い」と感じる方もいれば、「何それ?」という感覚の方もいらっしゃるでしょう。
これは各家庭の仏様を祀るお盆とは違い、道に立つお地蔵様を祀るお盆。
そして、子供たちのためのイベントでもあるということですね。
素敵な遊びを用意して、夏の思い出作りをしてみましょう!